原題
|
Gran Torino |
製作年度/国
|
2008年/アメリカ |
上映時間
|
1時間57分 |
日本公開
|
2008年4月25日 全米公開:2009年1月9日 |
配給会社
|
ワーナー・ブラザース |
ジャンル
|
ドラマ、アクション、スリラー |
カラーorモノクロ
|
カラー |
| 主な受賞歴 |
・ナショナル・ボード・オブ・レビュー |
|
男優賞(C・イーストウッド)・オリジナル脚本賞 (2008年)
|
監督
|
クリント・イーストウッド(「ルーキー」「ブラッド・ワーク」「チェンジリング」)
|
| 原案 |
デヴィッド・ジョハンソン |
|
ニック・シェンク
|
| 脚本 |
ニック・シェンク
|
| 製作 |
クリント・イーストウッド(「ブラッド・ワーク」「チェンジリング」) |
|
ロバート・ロレンツ(「ミスティック・リバー」「父親たちの星条旗」「チェンジリング」) |
|
ビル・ガーバー(「セイブ・ザ・ワールド」「ロイヤル・セブンティーン」)
|
| 音楽 |
カイル・イーストウッド(「硫黄島からの手紙」) |
|
マイケル・スティーヴンス(「硫黄島からの手紙」)
|
| キャスト |
ウォルト・コワルスキー |
クリント・イーストウッド |
|
タオ・ロー |
ビー・ヴァン |
|
スー・ロー |
アーニー・ハー |
|
ヤノビッチ神父 |
クリストファー・カーリー |
|
デューク |
コリー・ハードリクト |
|
ミッチ・コワルスキー |
ブライアン・ヘイリー |
|
スティーヴ・コワルスキー |
ブライアン・ホウ |
|
カレン・コワルスキー |
ジェラルディン・ヒューズ |
|
アシュリー・コワルスキー |
ドリーマ・ウォーカー |
|
床屋のマーティン |
ジョン・キャロル・リンチ |
|
トレイ |
スコット・リーヴス |
|
ヴー |
ブルック・チア・タオ
|
| 公式HP |
http://wwws.warnerbros.co.jp/grantorino/#/top (日本) |
|
http://www.thegrantorino.com/ (アメリカ)
|
| ストーリー |
ウォルト・コワルスキーには、自分だけの正義があった。それに外れるものは、何もかも許せない頑固で偏狭な男だ。目下、彼の許せないこと――それは、近隣に暮らす、ウォルトが偏見を隠さないアジア系の移民たちだ。大人たちは家屋の手入れをせず、若者たちはギャングを気取って異人種間の小競り合いを繰り返している。ある日、ウォルトの宝物の愛車〈グラン・トリノ〉を盗もうとする、命知らずの少年が現われる。隣に住むモン族のタオだ。夜中にガレージに忍び込んだタオは、ウォルトにM-1ライフルを向けられて、逃げ出した。ウォルトは、朝鮮戦争で使い込んだそのライフルを、タオにヤキを入れに来たスパイダーたちにも突きつける。彼は自宅の庭に侵入されて激怒しただけなのだが、タオを不良たちから救う結果になり、タオの家族から思いがけず感謝される。このことが切っ掛けで、ウォルトとタオの不思議な交流が始まった。しかし、スパイダーたちの嫌がらせが再燃、ウォルトが受けて立ったばかりに争いはさらに加速し、ウォルトはタオと家族の命の危険さえ感じ始める。タオとスーの未来を守るため、ウォルトがつけた決着とは……?
|
| K’s Point |
品質保証のイーストウッド印 |
|
クリント・イーストウッドは単に“外さない監督”というだけではない。こちらの期待を更に大きく上回るものを出してくる。観に行く前の高揚感を裏切らない、数少ない監督と言えよう。だから、この「グラン・トリノ」も、はやる気持ちそのままで臨んで正解だ。映画界に長く身を置くイーストウッドだが、“どうだ、巧いだろう”といったひけらかしも、説教臭い押し付けがましさも、そこにはなかった。ただシンプルに老人と若者たちの交流を辿る中で、浮き彫りになってくるそれぞれの心の枷。お互いの存在がそれをほどいてくれる上でなくてはならないと気づいた時の彼らの歓びは、温かく穏やかに私たちを包み込む。そして、やがて訪れるあまりにも大きな試練がもたらす結末は、イーストウッドの他の名作「ミリオンダラー・ベイビー」「チェンジリング」にも通じる感動をもたらす。
|
| K’s Point |
静かな流れのような映画 |
|
いつも文句タラタラでしかめっ面をしている、とっつきにく~いオヤジ。頑固一徹、息子たち一家も持て余すこのオヤジ=ウォルトを変えていくのが、彼が毛嫌いするマイノリティーの若者たちであり、神学校を出たばかりの神父だという点が面白い(彼らもまた、ウォルトによって成長していく)。人種や世代に立ちはだかる厚い壁が徐々に崩れていくような、ニック・シェンクの丹念な脚本は、ゴテゴテした飾り気がない分、ストレートに心に響く。派手さがないのは、キャストも同じ。主要キャストのビー・ヴァン、アーニー・ハーら演技経験がまったくない新人も含め、イーストウッド以外はほぼ無名の俳優で固められているが、色が付いていないこの感じがまた良い。特に、前述の2人と神父役のクリストファー・カーリーは、魅力的なキャラクター設定のお蔭でもあるかもしれないが、好感の持てる演技である。
|
| K’s Point |
“このオヤジがすごい!”ランキング、間違いなく1位!! |
|
世の中には不条理なことがたくさんある。自分が信じる正義のために立ち上がったことが、回り回って誰かを苦しめる、そんな望みもしない結果を生むことも…。マカロニ・ウェスタンや「ダーティ・ハリー」シリーズetc.――これまで数々の映画の中で悪と闘ってきたイーストウッドが、正義の貫き方の一つの形を見せる本作は、4年振りにして最後の出演作と噂されるだけあって、あたかも彼自身の集大成であるかのようだ(彼の出演作をまとめたパンフレットは必携!)。そして、そこに垣間見えるイーストウッド流の美学に心酔させられる。よく「高齢なのにこんな映画が撮れるなんて」といった意見を聞くが、そうではなく、78歳を迎えた彼だからこそ出せる味わいなのだ。簡単にリメイクに手を出すレオやらトムやら若造には、まだまだ負けていない!
|